骨盤前傾の原因をストレッチで改善・矯正!
2018/03/01
骨盤は、カラダにとって土台です。
土台が揺らいでしまうと、いくら頑丈な建物でも、ちょっとしたきっかけで傾いてしまうもの。
それと同じように、骨盤がゆがむと、骨盤より上にある腰や肩、首にゆがみが現れ、痛みやしびれ、肩が動きにくいなどの運動障害などを生じる恐れが生じます。
特に、女性は、骨盤が前傾するゆがみを生じやすいとされています。骨盤が前傾してしまうと、腰痛や肩、首の痛み(違和感)が。そして、脚には内股、X脚といったトラブルが……。
そこで、この記事では骨盤の前傾の原因を明らかにし、ストレッチなど、自分でできる改善、矯正方法や、予防方法についてご紹介します。
骨盤はなぜ歪むの?
女性の骨盤は歪みやすい!
骨盤は、カラダの中心にあります。
骨盤は、上半身の重みを支え、かつ、脚につながり、移動する軸となる重要な部分で、とてもストレスを受けやすい場所。
また、骨盤は、男女差の著しい骨で、骨盤の骨だけを見ただけでも、男性か女性かがわかります。
女性の骨盤は、出産などのために、横に張り出しているのが特徴。
また、妊娠・出産のために、形が変わりやすく、緩くなっているため、ゆがみが生じやすいのです。
骨盤前傾は女性に多い!
骨盤は、バッグの持ち方や、デスクワークの姿勢、運動不足などの、日常の些細な習慣やクセでゆがんでしまいます。
骨盤のゆがみには、前後のゆがみ、左右のゆがみなど、いくつかのパターンがあります。
骨盤前傾の状態と原因
骨盤が前に倒れるようにゆがむことを、骨盤前傾といいます。
骨盤の前傾は、女性に多いゆがみ。
この骨盤が前傾する原因には、ハイヒールを履いたり、体幹の筋力が弱かったり、緊張しすぎたりすることがあります。
骨盤前傾に関係する筋肉って?
骨盤前傾に関係する筋肉には、腹筋群、大殿筋、ハムストリングス筋、腸腰筋、脊柱起立筋、大腿四頭筋などがあります。
お腹の周りにある腹筋群や、お尻にある大殿筋、太ももの裏にあるハムストリングス筋などの筋力が低下しても、骨盤前傾の原因となります。
また、腰を支える腸腰筋や、背骨の両脇にある脊柱起立筋群、太ももの前にある大腿四頭筋の過度の緊張が、骨盤前傾につながる場合もあります。
骨盤前傾で現れる症状
骨盤が前傾すると、腰椎、すなわち、背骨の下部分が、前に彎曲してしまい、腰に負担がかかり、腰痛の原因となってしまいます。
こうして、腰椎の前彎が強くなると、お腹に圧力がかかり、お腹が出るようになります。
これは、痩せているのにポッコリお腹の状態の方に、よく見られる状態ですね。
また、お尻を後ろに突き出すような姿勢になってしまって、カラダを後ろに反る動きに負担がかかってしまうことも……。
腰椎の前彎が強くなった状態は、胸椎、つまり、背骨部分の上から中央の部分と、首の骨にあたる頚椎部分にも、彎曲を強くさせるように働きます。
頚椎は、腰椎と同じように前彎が強くなり、しだいに顎が前に突き出るような状態になり、やがて、首そのものに負担がかかるようになるのです。
このとき、胸椎は、逆に後ろに彎曲が強くなる後彎状態となって、背中が丸くなってしまいます。
また、骨盤の前傾がある場合には、股関節に捻じれが現れ、つま先が内側を向く内股や、X脚になるケースも多く見られるということを覚えておいてください。
骨盤前傾をセルフチェック!
骨盤の前傾状態は、セルフチェックすることができます。
1. 床に仰向けの状態で寝て、腰部分に自分の拳が入るかどうか確認する
もし、床に仰向けで寝て、腰部分に自分の拳が入るようなら、それは、骨盤が前傾し、腰椎の前彎が強くなって後ろに反っている証拠です。
2. 足踏みをした後につま先の方向を見る
足踏みをした後に、つま先方向を見たとき、つま先が内側を向いている場合は、脚の状態が内股やX脚になっていて、骨盤が前傾している状態になっています。
3. 脚を肩幅に開いてスクワットする
スクワットしたとき、膝が中央に寄って、膝の外につま先が見える場合は、X脚の状態といえます。
X脚では、骨盤が前傾している状態が多いのです。
あなたは大丈夫?
いかがでしたか?
これらの項目に、一つでも当てはまると、骨盤の前傾が疑われますので、その場合は、対策が必要になります。
骨盤前傾を解消するストレッチ!
骨盤の前傾を解消するためには、下記の2つがポイントになります。
- 骨盤の前傾に関係する筋肉の緊張をとること
- 弱っている筋肉を強化すること
骨盤の前傾が見られる方は、大腿四頭筋、腸腰筋、脊柱起立筋のストレッチや、腹筋群の筋力トレーニングが有効です。
ここで、骨盤前傾を解消するために効果的なストレッチをご紹介しますね。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋のストレッチは、股関節の前面を伸ばすように行います。
このストレッチは、左右片方ずつ行いましょう。
まず、右の腸腰筋を伸ばす場合、右膝をついて、左足を大きく前に出して、深く膝を曲げます。
後ろに引いた右の股関節を、前に突き出すようにすると、股関節の前面が伸びて、腸腰筋が効果的に伸びます。
この状態で、30秒ほどストレッチします。
左の腸腰筋のストレッチの場合は、左足を後ろにして同様に行いましょう。
このストレッチは、左右交互に、5セットほど行ってください。
起立筋のストレッチ
起立筋は、背骨の両脇に、背骨に沿って縦に走る長い筋肉です。
まず、床に仰向けになり、枕を高くして、頭部を固定します。
つぎに、両膝、股関節を深く曲げ、両膝を両手で抱え込みましょう。
この状態で、1分ほどしっかり抱え込み、背中から腰部分の起立筋を、しっかり伸ばしてください。
このストレッチは、1分×5セットほど行うのがよいでしょう。
大腿四頭筋のストレッチ
大腿四頭筋は、太ももの前にある大きな筋肉であり、カラダを前に移動させるために、とても重要な筋肉です。
大腿四頭筋のストレッチは、横向きに寝た状態で行います。
まず、上の方にある脚の膝を、お尻につくように強く曲げてください。
その際に、足部を持って、股関節の前部分を伸ばすように引きましょう。
これで、大腿四頭筋が伸びた状態になります。
このストレッチは、うつ伏せでも同様にできますので、自分に合ったやり方でやってみてください。
大腿四頭筋を伸ばした状態になったら、30秒ほどキープします。
これを、左右5セットずつ行いましょう。
骨盤の前傾解消エクササイズ(ヒップリフト)
骨盤の前傾解消エクササイズでは、まず仰向けになり、膝を立てます。
息を吐きながら、ゆっくりとお尻を上にあげていきます。
このとき、お尻はギュッと締めながら行いましょう。
肩、背骨、膝部分が一直線の状態になるまで、腰を上げていきます。
腰が上がった状態になったら、そのまま5秒程度キープし、ゆっくりと息を吸いながら下ろしましょう。
このエクササイズは、10回×3セット行ってください。
骨盤の前傾解消エクササイズ(ドローイン)
ドローインとは、お腹をへこませることで、腹横筋を収縮させる筋トレです。
腹筋の筋力を取り戻すことによって、ポッコリお腹の解消はもちろん、骨盤前傾の原因を除去する効果もあります。
このエクササイズでは、まず、背筋を伸ばして肩を後ろに開き、その姿勢で、できるだけお腹をへこませます。
つづいて、息を吐いていきますが、そのときに、さらにお腹をへこませるようにしてください。
息を吐き切ったときに、最もお腹がへこんだ状態になるようにしましょう。
これを、5回×5セットほど行ってください。
骨盤前傾解消ストレッチの効果
いかがでしたか?
ストレッチなど、筋力トレーニングの効果は、少なくとも2週間程度経ってから現れます。
もちろん、個人差もありますので、焦らずにじっくりと行うようにしてください。
ストレッチは、続けることによって、思わぬ副産物的効果が現れることも期待できます。
たとえば、血行促進による冷え性改善、筋力の増加や柔軟性向上による姿勢の改善や、肩や首の違和感の改善、腰痛などの改善、基礎代謝の亢進によるダイエット効果など。
ストレッチや筋力トレーニングを習慣として続けていって、うれしい副産物的効果も楽しめるようになるとよいですね。
まとめ
女性の骨盤はゆがみやすいといわれますが、その多くは、骨盤の前傾のゆがみです。
骨盤の前傾は、腹筋群、ハムストリングス筋、大殿筋の筋力低下や大腿四頭筋、腸腰筋、脊柱起立筋の過度の緊張が原因となります。
骨盤が前傾すると、腰椎の前彎、胸椎の後彎、頚椎の前彎が大きくなり、肩や首に負担がかかってしまいます。
また、下肢では、内股やX脚の状態にもなりかねません。
骨盤の前傾は、簡単にセルフチェックができますので、ぜひご自分でも確認してみてください。
骨盤前傾を改善するためには、過度に緊張している脊柱起立筋群、腸腰筋、大腿四頭筋のストレッチがとても有効です。
また、腹筋群、ハムストリングス筋、大殿筋の筋力トレーニングも欠かせません。
ストレッチや筋力トレーニングをすることによって、骨盤前傾の改善だけでなく、冷え性改善やダイエット効果などの副産物的効果もありますので、ぜひトライしてみてくださいね。