生理痛をストレッチと、ツボ押しで予防・緩和!
生理痛のひどい方、PMS(月経前症候群)でお悩みの方、ずいぶん多いようですね。
生理痛がひどくて、寝込んでしまったり……。
PMSの方では、ひと月の三分の一も、不快な症状に悩まされている方もいるんです。
そこで、今回は、生理痛に悩んでいる方の症状が、少しでも和らぐようなストレッチやそのほかの対処法、予防法などをご紹介します。
女性ホルモンのしくみ
女性は、第2次成長期の思春期になると、女性ホルモンの分泌が活発になります。
女性ホルモンは、周期的な排卵と生理を繰り返すように働きます。
それを医学的には、「月経」といいます。
月経に関わる女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
エストロゲンについて
エストロゲンは、妊娠に必要な子宮内膜を厚くし、排卵を促すように働きます。
妊娠した場合は、エストロゲンは妊娠の維持のため、分泌量が維持されます。
妊娠しなかった場合は、エストロゲンの分泌量が減り、かわりに、プロゲステロンの分泌量が増えます。
エストロゲンは、女性らしさを高めるホルモン。
エストロゲンの分泌が少なくなると、生理不順や更年期障害になったり、自律神経が乱れたり……。
逆に、エストロゲンが過剰に分泌されると、PMSや生理痛が悪化したり、頭痛、不安、イライラ、疲労感、薄毛などがみられるようになるんです。
さらに、エストロゲンが長期間過剰になると、乳がんや子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がんなどのリスクが上がることも!
女性らしさをアップさせるエストロゲンですが、過剰だと病気のリスクが高くなるんですね。
エストロゲンは、バランスがとても重要だということがいえます。
生理痛ってどうして起こるの?
女性のカラダでは、妊娠準備のため、子宮内膜が厚くなります。
しかし、妊娠が起こらなかった場合、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて、出血が起こります。
これが生理(月経)なのです。
このとき、不要になった子宮内膜を、スムーズに体外に出す働きをするのが、プロスタグランジンです。
プロスタグランジンは子宮を収縮させて血液を押し出すように働きます。
この作用が強すぎる場合に、お腹が痛くなるのが、生理痛なのです。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させるだけでなく、頭痛やめまい、だるさなどを、間接的に起こすとされています。
カラダが冷えて、血行が悪いときは、月経が困難になりやすいもの。
その分、プロスタグランジンが多く分泌され、月経をスムーズにしようとするのです。
また、ストレスが原因で、ホルモンバランスが崩れると、痛みをより強く感じてしまうことがあります。
これも、生理痛を悪化させてしまう原因の一つといわれています。
生理痛がひどい人の特徴
生理痛がひどくなるメカニズムは、わかりましたね。
実は、生理痛がひどい人には、ある特徴があるようなんです。
ここでは、生理痛がひどい人の特徴をまとめてみました。
1 子宮口が硬くて狭い
若い女性や出産経験のない女性は、子宮口が硬くて狭いことが原因で、生理痛がひどくなりやすいようです。
子宮口、すなわち、子宮の出口が狭いと、月経がスムースに流れにくく、プロスタグランジンが作用する必要性が出てくるんですね。
2 ストレス
ストレスは、ホルモンや自律神経のバランスを崩す原因となってしまいます。
その結果、血行が悪くなり、内臓型冷え性の原因にもなり、子宮機能の低下を引き起こします。
子宮機能の低下で月経がスムースに行かなくなります。
3 冷えによる血行不良
カラダが冷えることによって、血液循環が悪くなると、生理中は、プロスタグランジンの血液循環が滞り、骨盤内に溜まってしまいます。
それによって、生理痛が強くなってしまうのです。
4 子宮の病気による痛み
正史通のときは、生理不順のほかに、月経量の過多や過小が長く続いたり、痛みが強く日常生活に支障が出たりする場合もありますよね。
そんなときは、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人病の疑いもあるので、早めの受診をお勧めします。
生理痛がひどくなりやすい人の生活習慣チェック
つぎの項目に多くあてはまるほど、生理痛がひどくなりやすい生活習慣であるといえます。
ぜひチェックしてみてください。
- ストレス、プレッシャーの大きい生活をしている
- 短期間に無理なダイエットをしている
- 冷房や冷たい飲み物でカラダを冷やすことが多い
- カラダを締め付ける下着を身に着ける、ミニスカート、素足などで身体を冷やす服装が多い
- 長時間、同じ姿勢の仕事をしていて、血行が悪い
- 運動不足
- 喫煙する
ストレスやカラダを冷やしたり、血液循環が悪くなるような生活習慣のある方は、とくにご注意くださいね。
生理痛改善におススメのストレッチ
生理痛がひどくなる原因として、冷えや血行不良、ストレスなどがあるのがわかりました。
実は、その原因は、ストレッチなどの運動で解消できるんです!
ここでは、骨盤の歪み改善して、つらい生理痛を解消できる、効果的なストレッチをご紹介します。
準備運動(導入)~骨盤回し
まず、脚を肩幅に開きます。
腰に手を当てて、腰を円を描くように回します。
うまく回るようになったら、横に8の字を描くようにも回しましょう。
これは骨盤周りの筋肉を緩める効果があり、またインナーマッスルを活用することによって体温を維持し、冷えの解消にもなります。
骨盤周りの筋肉が硬くなっていると、スムーズに腰が回せません。
腰をスムーズに回せるようになるために、じんわりと汗ばむくらい、2~3分程度回しましょう。
膝倒しストレッチ
膝倒しストレッチは、2種類あります。
体育座りの膝倒しストレッチ
膝倒しストレッチの1つ目は、体育座りのように座る体勢からはじめ、手を後ろについて、上半身を支えます。
続いて、左右の膝を付け、踵を床につけたままで、膝を左右にゆっくりと倒してください。
このとき、腰やお尻周辺の筋肉が伸びるのを感じるように、ゆっくりおこないましょう。
また、息を吐きながら伸ばすように注意してくださいね。
このストレッチは、1回に30秒ほどじっくり伸ばし、左右5セットほど行ってください。
あおむけの膝倒しストレッチ
膝倒しストレッチの2つ目は、あおむけの状態で行います。
1つ目のストレッチと同様に、膝を左右にゆっくりと倒してください。
このストレッチも、左右5セットずつほど行ってくださいね。
合蹠前屈のポーズで、股関節と腰のストレッチ
股関節と腰のストレッチでは、両足の裏を合わせるように、股関節を開いて座ります。
かかとを自分のカラダに引き寄せて、足のつま先を、両手で包み込むように持ちます。
つづいて、息を吐きながら、上半身を前に倒しましょう。
このとき、無理のない程度に上半身を倒し、30秒ほど伸ばしてください。
これを、5回程度行いましょう。
うつぶせで行う脚倒しストレッチ
うつぶせで行う脚倒しストレッチは、股関節、及び骨盤周りの筋肉を伸ばし、腹筋のエクササイズにもなります。
まず、床にうつぶせになり、両手を顔の前に置きましょう。
つぎに、膝を90度に曲げて、ふくらはぎから下を持ち上げます。
そして、両足をそろえて、ゆっくり右に倒し、そのあと、ゆっくり上に戻すようにします。
左も同じようにゆっくり倒し、ゆっくり戻す動きをしますが、このとき、息を止めずに行うことがポイントです。
このストレッチは、左右10回ずつ行ってください。
このツボが生理痛に効く!
ここでは、生理痛の改善に効果のある、自分でも押せるツボをご紹介しますね。
お腹や膝周り、ふくらはぎの内側や手には、生理痛の緩和に効果的なツボが多くありますので、ぜひ試してみてください。
ツボ | 効果 |
---|---|
気海(キカイ) | 正中線(カラダの中心線)でおへそから指約2本分下にあるツボです。生理痛の緩和や生理不順、便秘、下痢などの改善に効果があります。両手の親指以外の4指でゆっくり息を吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
関元(カンゲン) | 正中線上でおへそから指約4本分下にあるツボです。生理痛の緩和、生理不順、腰痛、冷え性などの改善に効果があります。このツボも両手の親指以外の4指で息をゆっくり吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
中極(チュウキョク) | 正中線上で関元の指1本分下、恥骨部分の親指1本分上にあるツボです。生理痛の緩和や生理不順、膀胱のトラブル改善などに効果があります。同じく、両手の親指以外の4指で息をゆっくり吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
帰来(キライ) | 中極から左右に指3本分外側にあるツボです。生理痛の緩和、婦人科系や膀胱のトラブルの改善に効果があります。同じく、両手の親指以外の4指で息をゆっくり吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
血海(ケッカイ) | 膝の内側のお皿の上指2本半分上にあるツボです。血流を整え、生理痛の緩和や生理不順の改善などに効果があります。親指で回すようにゆっくり10秒ほど押します。これを5セットほど行いましょう。 |
足三里(アシサンリ) | 膝のお皿の外側のくぼみから指4本分下、すねの骨の外側にあるツボです。血流を整え、生理痛の緩和や胃腸のトラブル改善などに効果があります。親指で回すようにゆっくり10秒ほど押します。これも5セットほど行いましょう。 |
三陰交(サンインコウ) | 足の内くるぶしの一番高いところか指4本分上で、すねの骨のすぐ後ろ側にあるくぼみ部分にあるツボです。生理痛の緩和や婦人科系のトラブル、冷え性の改善などに効果があります。同じく、両手の親指以外の4指で息をゆっくり吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
照海(ショウカイ) | 足の内くるぶしの一番高いところから親指1本分下で、内くるぶしの真下のくぼみにあるツボです。生理痛の緩和、生理不順、冷え性の改善などに効果があります。同じく、両手の親指以外の4指で息をゆっくり吐きながら、数秒じっくり、数回押しましょう。 |
合谷(ゴウコク) | 手の親指と人差し指の交わる部分より、やや人差し指よりのくぼみにあるツボです。合谷は万能のツボと言われており、特に生理痛、頭痛、歯痛、肩こりなどの緩和に効果があります。親指の先でしっかり、ゆっくり10秒ほど押します。これを5セットほど行いましょう。 |
血海(ケッカイ)・三陰交(サンインコウ)・照海(ショウカイ)のツボ
気海(キカイ)・関元(カンゲン)のツボ
合谷(ゴウコク)のツボ
生理痛を和らげるために、体質を改善しよう
冷えを予防し、カラダを温めましょう
生理痛を和らげるためには、冷えを予防し、カラダを温めることが、とても有効です。
また、カラダを締め付ける服装をやめたり、短い丈のスカートなどを履かないようにしたり、靴下を履いたりするなど、下半身を冷やさない工夫をしましょう。
ストレスを溜めない体操やリラックス方法を見つけましょう
同じ姿勢を長時間続けると、血行が悪くなって、カラダも硬くなり、ストレスもたまりがちになります。
このような場合は、30分に一度大きく伸びをするなど、カラダを動かすのが理想的です。
また、アロマを焚いたりするのも、とても効果的ですよ。
適度な運動をしましょう
生理痛を和らげるには、軽いジョギング、ストレッチ、ヨガなどが効果的です。
日常から、軽めの全身運動を行うように心がけましょう。
温かい食べ物や飲み物を取りましょう
ジャガイモ、レンコン、ニンジンなど、カラダを温める根菜類を食べることも、とても効果的です。
積極的に食事に採り入れるようにしてください。
また、生姜(しょうが)やタマネギ、ニンニクも、カラダを温め、血液循環を良くしてくれる、優れた食材です。
毎日、少量ずつでも、積極的に活用するようにしてくださいね。
逆に、夏野菜は、カラダを冷やす効果があるといわれますので、食べ過ぎに注意しましょう。
また、砂糖のたくさん入ったジュースやコーヒーなどは、カラダを冷やしますので、避けるようにしてください。
まとめ
生理痛の改善には、いろいろな対処法があります。
ひとそれぞれに合う対処法が、必ずありますので、体質を改善するつもりで、根気強く、気長に行うようにしましょう。
とくに、生理痛の悩みで、マイナス思考に陥ったりしてしまうと、目標ややりがいなどを見失って、精神的に不安定になってしまうこともあります。
プラス思考で、気分転換や楽しみを見つけるようにして、生理痛の改善に取り組むことをおすすめします。
体質の改善には、数か月かかる場合もありますし、もちろん個人差もあります。
おおらかな気持ちで、生理痛の改善ストレッチなどに取り組んでみてくださいね。
ライター紹介
PMS改善日記 編集部
「つまんないこと、バイバーイ。たのしいこと、ウェルカム!」
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