生理前の頻尿は、PMS!? PMSでトイレが近い、膀胱炎の悩み…
2017/07/13
こんにちは、田中みかです。
突然ですが、あなたは、生理前の頻尿や、膀胱炎で悩んでいませんか?
頻尿に悩むのは、女性が多いと聞いたことがあります。それは膀胱の大きさと尿道の長さが関係しており、女性は膀胱の近くに子宮がある分、男性と比べて膀胱が小さくできています。
わたしも、普段からトイレには小まめに行くほうですが、悩むほど頻尿について考えたことがありませんでした。
ですが、思い返してみれば、生理前から生理中にかけてのほうが、トイレによく行きたくなるように思います。
生理前は、PMS(月経前症候群)と呼ばれる女性特有の症状が現れることがあります。
この症状はさまざまで、たとえば、頭痛、腹痛などカラダの不調。それから、イライラ、情緒不安定などココロの不調があります。
PMSと頻尿にも、関係があるのでしょうか? 今回は頻尿についてとPMSとの関係について調べました。
頻尿とは
健康な人であれば、1日数回はトイレに行きますし、排尿も起こります。
まずは頻尿の判断基準が気になります。
1日に何回トイレに行ったら頻尿?
トイレの回数を、他人とくらべることってあまりありませんよね?
誰でもトイレは行くものだし、何回から頻尿だと判断していいのか基準がわからないと思ったので、調べてみました。
「8回」
これが頻尿とされるトイレ回数のボーダーラインです。
1日のうち、トイレに8回以上行くようなら頻尿の傾向があるといえます。
尿を溜める場所である膀胱の大きさは、個人差があるため一概にいえませんが、1度に溜められる尿の量は、多くても500ml前後で、よく売られているペットボトルと同じくらいです。
これを聞いて、意外に多いと思うのか少ないと思うのかは、水分を摂取するペースにもよると思いますし、500mlのペットボトルをどのくらいの時間で飲み切るかで考え方が変わりそうです。
ちなみに私は昔、500mlのペットボトルのお茶を一気飲みしたら、何度もトイレに行きたくなって困った記憶があります(中学生ぐらいの時ですが……)。
頻尿の原因は
加齢
人間の体は膀胱に尿が溜まっても、すぐ排尿せずしばらく我慢できるようになっています。
このとき尿道の筋肉が収縮し蓋の役割をしてくれるのです。
この筋肉を、括約筋といいますが、括約筋も歳を取ると衰えます。
括約筋が衰えると尿が溜まったとき、すぐに尿意を感じるようになるため、頻尿の症状が見られるようになります。
妊娠
妊娠中はホルモンバランスの変化や体の変化によって頻尿になりやすいといわれています。これは妊娠初期から妊娠後期まで続く症状です。
子宮の圧迫
子宮が大きくなるため、膀胱が圧迫され、通常よりも尿を溜められる量が少なくなってしまう。結果的として頻尿になりやすい。
ホルモン
ホルモンバランスの変化によって頻尿になることがあります。女性ホルモンであるプロゲステロンは泌尿器や生殖器、血管の壁である平滑筋(へいかつきん)を緩める作用があります。
プロゲステロンの作用
平滑筋(=泌尿器・生殖器・血管など内臓の壁を作っている筋肉)を緩める作用があるので、妊娠状態を維持するため子宮の収縮を抑える、排尿筋・括約筋が緩むため尿意を感じやすくなるなどの変化があります。
排尿筋は膀胱の壁の筋肉であり、尿を排出するために収縮しますが、排尿筋がゆるんだ状態だとすべての尿を体外に押し出すことが難しくなるので残尿感を覚えたり、頻尿になったりします。
また、子宮と同時に腸の筋肉も収縮が抑えられるため、便秘になります。
泌尿器系の病気
排尿は腎臓・膀胱・尿道など、いろいろな器官と筋肉の動きによって行われます。
頻尿の症状が起こるのは、それらの器官に病気が潜んでいる可能性も十分あります。
継続的に頻尿が起こるようなら、PMSだから、水分を摂り過ぎたからと軽視せず早めに病院に行くことをお勧めします。
PMSで起こる頻尿
どうしてPMSで頻尿になるの?
PMSで起こる頻尿は妊娠初期症状としても頻尿に似ています。
PMSの頻尿もプロゲステロンが関係
妊娠時と同様、PMSの時期はプロゲステロンが多く分泌されます。
そうなるとPMSで頻尿が起こるのもプロゲステロンの作用が関係してくるのですが、妊娠時とは微妙に状況が異なります。
それは子宮内膜が厚くなって子宮が肥大化し膀胱を圧迫しやすくする点です。
PMSでの頻尿は妊娠の準備期間だからこそ起こる症状でもあります。
それに加えてプロゲステロンの筋肉を緩める作用、利尿作用によってPMSの時期は普段よりも頻尿が起こりやすい状態になります。
ストレス・緊張
精神状態によって頻尿になることもあります。緊張した時にトイレに何度も行きたくなったという経験をしたことがある方は珍しくないはずです。緊張によって膀胱の筋肉が収縮することが原因と考えられます。
冷え
寒い時はトイレに行く回数が増える気がしませんか?これは腎臓の機能低下によって起こります。
腎臓は体内の余計な水分や老廃物を濾過する役割を持っているわけですが、体が冷えているとこの機能がうまく働かなくなります。
それによって、たくさんの水分が体外に排出されることになり、頻尿が起こります。
水分過剰
単純にたくさん水分を取ったせいで頻尿になることもあります。
たくさん水分を摂れば、その分吸収できない水分は排出されることになるからです。
冒頭で、わたしが書いた500mlのお茶を飲んだらトイレに行きたくなったというのも同じことです。
PMSによる頻尿を改善するには
ハーブ
頻尿の改善を目的にするなら、利尿作用があるハーブがおすすめです。
また膀胱炎は免疫力が低下していると起こりやすくなるため、抗ウイルス作用、免疫力向上などのあるハーブを選びましょう。
水分を同時にとるとより効果的なため、ハーブティーでの摂取がピッタリです。
別の記事で紹介しているエキナセアのハーブティーも頻尿対策に効果があります。
PMSの時は特に免疫力が低下するので、膀胱炎の予防にちょうどよくPMSで起こる他の不調にも有効です。
他にはクランベリーやローズヒップも頻尿に効果的です。
特に、クランベリーは細菌による炎症に有効なので、膀胱炎や尿道炎の症状におすすめのハーブと言われています。
サプリメント
頻尿の症状が軽い場合、サプリメントでも改善出来ることがあります。
ノコギリヤシ
男性の頻尿の症状に効果があるとされています。
男性の頻尿が前立腺肥大症という病気が原因の場合が多く、その前立腺肥大症に効果があるとされているのがノコギリヤシです。
ノコギリヤシとは名前の通り、ヤシ科の植物であり北アメリカで採れる植物です。ノコギリヤシの実は健康食として知られています。
ぺポカボチャ
女性の頻尿に効果があるとされるのが、ペポカボチャで薬効が高いカボチャとして知られているようです。
サプリメントに使われるのはペポカボチャの種子エキスで、排尿の不調に効果があります。
イソサミジン
ノコギリヤシ、ペポカボチャそれぞれと一緒に配合されることが多く、男女関係なく頻尿に効くのがイソサミジンです。
屋久島に生えているボタンボウフウという植物に含まれる成分で、排尿筋の収縮を穏やかにし、頻尿などの悩みを改善に導いてくれます。
※イソサミジンが含まれるのは屋久島で生えているボタンボウフウだけだそうで、ほかの地域に生えているものだと含まれていないため希少価値が高いです。
漢方薬
頻尿に効果があるとされる漢方です。症状や体質によって合う漢方が違うので、専門医で処方してもらうのが一番安心です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
頻尿と同時に残尿感を覚えやすい人にあっていて血流をよくし水分代謝を高めます。
水太りなどにも効果があり、PMSの症状にも効果があるとして知られている漢方薬です。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
括約筋が衰えていたり、疲労がたまっているときに効果的な漢方です。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
腎臓の機能低下による頻尿に効果がある漢方です。夜中に何度もトイレに起きてしまうなどの症状がある場合に処方されることが多くなります。
頻尿が招く病気・体の不調
膀胱炎
妊娠初期には頻尿と同時に膀胱炎にもなりやすいと言われています。
女性は尿道と膀胱の距離が近く、最近が入り込みやすいため、そもそも膀胱炎になりやすい傾向にあるそうです。
妊娠中には排尿筋が緩み、きちんと体外に尿が排出されにくくなっているため細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまうことも原因の一つです。
PMSの時にも同様で、残尿感があるようなら要注意です。
そのほか、膀胱炎の特徴として、排尿後にツーンとした痛みを感じる、尿がたまると痛いなどの症状があります。
内服薬によって治療することは可能ですが、実際膀胱炎になった方はみんな「つらかった」と口をそろえて言います。
まずは膀胱炎にならないように、トイレをむやみに我慢しないよう意識しましょう。
PMSの頻尿対策まとめ
- PMSで起こる頻尿はプロゲステロンの影響を大きく受けている。
- 頻尿の治療についてはハーブ、サプリメント、漢方が有効
- 頻尿は膀胱炎につながる可能性もあるので、要注意