ピルを使ってPMSを改善する~ピルの種類・効果・副作用etc.~
2018/02/26
PMSの治療方法の1つにピルの服用があります。今日はそのピルについて詳しく調べてみました。
(→治療法についてはPMSやPMDDの治療法・病院選び~ピル・抗うつ剤・漢方薬など治療法別のメリット・デメリット~でも書いています。)
ピルの名前は聞いたことがある人も多いと思いますが、避妊の為に服用する薬というイメージが強いのではないでしょうか。
(毎日服用するもの、性交渉後に妊娠しないために服用するもの色々あるけど)
ピルはホルモン剤の一種で、服用することで、女性ホルモンのバランスを調整します。
ピルの効果、使用目的
ピルは女性ホルモンのバランスを安定させるため、女性ホルモンの変化によって起こる様々なことがコントロール可能になります。
ピルで得られる効果
- PMSの症状改善
- 避妊
に加えて、
- 生理開始日のコントロール
- 生理痛の改善
- 生理不順の改善
- 子宮内膜症の治療
- 子宮体癌の治療
- 更年期障害の症状軽減
などが挙げられます。
ピルの服用によって、ホルモンバランスが一定になると以下のことが起こるため、上記の症状の改善に繋がります。
【ピルを飲むと具体的にどうなる?】
- ホルモンバランスの急激な変化がなくなる
→PMSに関係が大きいのがこれ。
→ピルを飲むとPMSのイライラや不調が緩和されるのは、急激なホルモンバランスの変化がなくなり、自律神経、ホルモン量が安定した状態になるからです。
- 排卵が止まる
→避妊、生理日のコントロール、生理不順の改善に関係があるのがこれ。
→排卵がなければ、妊娠する可能性はないため、避妊になります。ピルの服用期間のうち休息期間に生理を起こすことが出来るので、生理日をコントロールできます。
- 子宮内膜が厚くなりにくくなる
→生理痛、子宮内膜症などの改善に関係が大きいのがこれ
→卵子を着床させるために厚くなった子宮内膜が生理の時に剥がれ落ちて排出されるため、生理痛が起こります。剥がれ落ちる膜が少ないので、痛みも軽減され、経血量も減ります。
ピルの副作用
ピルはホルモンバランスに影響を与えるため、個人差はありますが、副作用が出る可能性があります。
副作用の種類
- 吐き気
- 頭痛
- めまい
- 胸が張る
- 不正出血
などがあります。
【太るというのは本当か?】
また、ピルを飲むと太ると聞いたことがある人もいるかと思います。
これは妊娠初期と同様の状態となるため、水分を溜め込みやすくなるからです。
しかし、低用量ピルの場合はホルモンの含有量が少ないので、大幅に体重が増えることはないそうです。
(増えても2キロ前後だそう)
ピルの種類にはどんなものがあるか
今までピルというと1種類の薬のことを指しているのだと思っていましたが、実際はピルにも種類が豊富にあるそうです。
ピルのホルモン量の違い
まず、ピルは薬に含まれるホルモン量によって、
- 高用量ピル
- 中用量ピル
- 低用量ピル
の3つに分けられます。超低用量ピルというのもあるそうです。
【高用量~低用量ピルの違い】
読んで字の如くホルモン量が多い順に高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルとなります。
用途・副作用
避妊やPMSの治療に用いられるピルは低用量ピルのことを指します。
(現在は超低用量のピルが増えていて、より使いやすくなっているようです。)
高用量ピル、中用量ピルについては病気の治療に用いられることが主で、ホルモン量が多いことから、低用量ピルと比較すると副作用も強くなります。
保険適用
保険が適用になるかどうかはピルを使用する目的によって変わります。
PMS治療の場合は保険適用になるようですが、病院に言って聞いてみるのが一番確実です。
ピルの錠剤の数
またピルには錠剤の数にも種類があり、
- 21錠タイプ
- 28錠タイプ
とに分かれます。
ピルの飲み方
アフターピルなどを除いて、ピルは毎日服用が基本です。
(21錠タイプは休息期間がありますが。)
21錠タイプの飲み方
21日間毎日飲み、7日間飲まない休息期間を作り、8日目から再開します。
薬を飲まない休息期間を挟むため再開日の自己管理が必要です。
28錠タイプの飲み方
28錠のうち、7錠のプラセボ(偽薬)が含まれており、休息期間にはその偽薬を服用します。
毎日服用するため、飲み忘れのリスクを減らすことができます。
飲み始めるタイミング
生理が始まったタイミングで飲み始めます。
その中でも、
- サンデースタート
- DAY1スタート
の二通りがあります。
サンデースタートは生理が始まって最初の日曜日から飲み始める方法です。
DAY1スタートは生理開始初日から飲み始めます。
飲み始めのタイミングは自己判断ではなく医師と相談の上で決定してください。
妊娠希望の場合
基本的には服用をストップ
ピルはまたの名を経口避妊薬と言います。
ピルを服用して排卵止まっている時には妊娠はしません。(ピルの避妊は100パーセントではないですが)
PMSや生理痛などの悩みが軽く、純粋に避妊薬としてピルを服用しているなら、服用をやめれば妊娠の可能性は高まります。
PMSの治療を続けるには
しかし、PMSや生理痛の改善目的でピルを服用している場合は、ピルの服用をやめることに不安を感じる方もいると思います。
PMSなどの症状を改善する方法はピルだけではありませんので、医師に妊娠希望の旨を相談して、ピルの服用を続けるのか別の治療に切り替えるのか決めるのをおすすめします。
ピルの服用で妊娠しやすくする可能性もある
「ピルを服用する=妊娠から遠ざかる」というイメージが強いですが、生理不順や子宮内膜症などのトラブルを抱えている場合は絶対的にそうとも言えません。
ピルを服用することで、排卵が止まり卵巣を休めることが出来るため、卵巣の状態を整えることが出来、結果的に妊娠しやすくなる可能性があります。
実際にピルの服用をやめたらすぐに妊娠したということもあるそうです。
まとめ
ピルとは
ピルは女性ホルモンのバランスを安定させる薬であり、PMSの原因であるホルモンバランスの急激な変化がなくなるため、PMSの症状改善の効果が見られる。
【感想】
今までピルに対して知識が少なくホルモン剤を使ったら体に悪いのではと思っていた部分がありましたが、想像以上にメリットが多そうなので、試してもいいかなという気持ちになりました。
次に婦人科に行く時にはピルについて相談してみてもいい気がします。