最近注目の生理用品、月経カップ。使い方、メリット、注意点
2017/06/23
こんにちは、田中みかです。
突然ですが、あなたは、「月経カップ」という生理用品の使い方を知っていますか?
生理用品として、月経カップ(経血カップ)というものを、最近、耳にするようになりました。
生理のときは、ナプキンを下着につけたり、タンポンを直接膣の中に入れて、血を吸収することで、血で下着や衣服が汚れるのを防いでいる人が、大半だと思います。
冷え改善や、環境対策のために、布ナプキンへの注目度も上がっています。
月経カップも、布ナプキン同様に、冷えを起こす原因にならないなど、環境保全につながる、というメリットがあります。
しかし、月経カップの使い方や、危険性はないのかなど、気になることもいろいろありますよね。
そこで、今回は、月経カップの使い方やメリット、危険性などについてまとめてみました。
目次(Contents)
月経カップとは何か
月経カップは、経血カップとも呼ばれており、名前の通り、経血を溜めるためのカップです。
素材は、天然ゴムやシリコンで作られていて、よく、ベルのような形・チューリップのような形と形容されます。
冷えが改善されるため、生理痛やPMS(生理前症候群)や、PEMS(周経期症候群)などの緩和に繋がるということで、わたしも大注目しています。
ちなみに、PMSとは、生理が始まる前の約2週間に起こる、心とカラダのさまざまな不調です。
生理が始まると自然に消えたり、軽くなります。
月経カップの使い方としては、カップなので、使用時は、口が開いている方を上にして使います。
月経カップの構造
月経カップは、カップ状になった経穴を溜めるための部分と、カップの底に尻尾のようなものが付いています。
この尻尾部分をステムといい、膣内に入れたカップを取り出す時に、つまむ部分です。
カップの上部には、斜めに空気穴が開いています。
この空気穴は、カップが膣内でうまく開かないときに、空気を送り込めたり、取り出すときに、空気を入れて隙間を作るために重要な部分です。
日本での販売・生理用品の定義・薬事法
月経カップは、日本では販売されていません。
日本の生理用品は、経血を吸収するものであり、使用面が白いものを指すからです。
日本基準でいえば、月経カップは生理用品ではないことになってしまいますが、日本人に合わない、使用できない、危険ということではありません。
ただし、危険性が0、絶対に安全、というわけでもないようです。
月経カップの種類・バリエーション
カラーバリエーション、デザインが豊富
月経カップには、赤・青・緑・黄色・紫などなど様々な色があり、デザインは、ベルの形をしていたり、花のモチーフがあしらわれているなど、見た目がかわいいものもあります。
もちろん、透明なものもありました。
サイズは、小さいものから、少し大きなものまでそろっています。
経血量は、個人差が大きいし、使用に慣れないと、いきなり大きなものを使うのに抵抗があると思うので、小さい物から試せるのが魅力です。
ただ、色がついていると、経血の色が確認しづらい、という不便さはあると思われます。
ディーバカップ
パッケージが可愛く、サイズも選べます。
専用の収納袋もついており、価格は4000円位です。
公式ホームページは、日本語非対応ですが、動画がアップされているため、使用方法などは確認できます。
月経カップの使い方
月経カップの使い方は、ざっくりいうと、経血が出てくる部分にカップを装着し、経血を溜めるのですが、もう少し具体的に書いていきますね。
動くと痛かったり、力を入れたときに、出てしまいそうになったりする場合は、上手く装着できていない可能性があります。
また、正しい位置に挿入できていても、カップが中で開いてくれないと、装着しても、経血を溜めておくことができません。
カップの下の方を押して、空気を送り込んで、カップが開くようにします。
開かない場合は、商品不良の場合もあるらしいです。
異物を膣内に挿入することになるので、しっかり挿入するのが怖いと感じる方もいるかもしれません。
しかし、膣の手前の方に装着してしまうと、経血が漏れる原因にもなるため、要注意です。
とはいえ、子宮内部まで入れてしまうのも、危険なので、つまみ部分が膣内に収まる程度が目安です。
ケア方法
- 外出先での使用の際は、外して経血を流したら水洗いして、再装着。
- 1日の終わりに、必ず、無添加か専用の石鹸で丸洗い、煮沸消毒をする。煮沸消毒の頻度は人によってまちまち。こまめにやった方が、絶対安心ではある。
月経カップを使うメリット・他の生理用品との比較
VS.紙ナプキン
紙ナプキンが冷えの原因になるといわれているのは、化学繊維や血液凝固剤が使われているからです。
月経カップを使用することで、紙ナプキンに使用される凝固剤などによる冷えの解消や、通気性の悪さに伴って起こる、かぶれ、かゆみの解消につながります。
最近の紙ナプキンは、通気性もよく作られているものがほとんどですが、多少は、蒸れやかぶれが生じます。
VS.布ナプキン
繰り返し使用できる生理用品として、布ナプキンも存在します。
ただ、布ナプキンが3,4年程度で買い替えが必要なのに対して、月経カップは10年以上使用することができる場合もあります。
シリコンが破れたり、ステムがちぎれたりする場合はありますが。
そのため、初期費用はかかるものの、コストパフォーマンスは高いといえます。
月経カップは、シリコンでできているため、洗浄してすぐに装着することも可能です。
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VS.タンポン
タンポンを使用する際、アナフィラキシーショックなどの症状が出るリスクがある、といわれています。
しかし、月経カップは、医療用シリコンなどアレルギーを起こしにくい素材で出来ています。
そのため、黄色ブドウ球菌などによるショック症状、アレルギーを起こしにくいので、タンポンと比較した場合は、安心して使用することができます。
ただし、衛生的に使った場合のみに限ります。
VS.紙ナプキン・布ナプキン
紙ナプキンや布ナプキンの場合は、お風呂に入る時に使用することができませんが、月経カップは、入浴も可能です。
タンポンと比べても、水を吸収するということがないので、衛生面でも安心です。
VS.紙ナプキン・タンポン共通
紙ナプキン・タンポンなど、使い捨ての生理用品と使用感を比べたときは、月経カップには、以下のメリットがあります。
- ゴミが出ない
- オーラルセックスなどのときに、経血での汚れが気にならない。ただし、普通のセックスはNG。
- 繰り返し使用が可能で、経済的負担軽減。
- 使用時間が長く半日使用できるものもある。とはいえ、長時間の使用は、体に負担をかけるので、小まめに経血を流した方がよい。
- 経血量、経血の状態を、そのままの状態で視認できる。
- 必要数がそもそも少ない。布ナプキンだと、1日3枚~4枚程度は必要だが、月経カップは洗えばよいので、一つで済む。落としたときの予備も含めても、2つ、3つで済む。
月経カップのデメリット
月経カップのメリットをご紹介しましたが、デメリットもあるので、以下にご紹介しておきます。
- 使用時に手が汚れる。トイレ内を汚してしまうリスクも高い。
- 使い方を間違うと不衛生になりがち。定期的な煮沸消毒が必要。
- 挿入時に痛みが伴うこともある。ただ、慣れればそうでもないらしい。
- 取り出すときに吸盤のようになり、子宮口を引っ張ってしまうリスクもある。空気穴での空気圧を調整する必要がある。
- カップの容量よりも経血量が多くなってしまうと、当然ながら漏れる。
- 就寝時など体が傾いているときは、漏れやすくなる。
- 日本で購入できない。海外通販などでの購入が一般的。
- 粗悪品を買ってしまうと染料が溶け出すなど、欠陥品に当たる可能性もある。
- 生理用品の中では、初期費用が高額。ただし紙ナプキンを20~30年使い続けると思えば、相殺どころか費用回収可能。
- タンポンと違いアプリケーター付きのものがないため、慣れるまで不便。
- 半日以上使えるものもあるが、経血量が多くなると取り出すのが大変になる。
- 紙ナプキンやタンポンに比べると、洗浄の手間が必要。煮沸消毒によるケアも必要。
- 子宮内膜症の原因として考えられている経血の逆流が起こるリスクがある。
月経カップがお勧めな人
- タンポン派の人
- 経血量を視認して体調確認をしたい人
- 紙ナプキンによる冷えやかぶれが気になる人
- 布ナプキンを洗濯機で洗ったり、手洗いすることに負担・抵抗を感じる人
- 布ナプキンよりも高いコストパフォーマンスを求める人
使った人の評判
冷えやかぶれというトラブルが解消されたという声が、多い印象があります。
ナプキンを何度も交換する必要がなく、持ち歩く必要もなくなるので、その辺りに煩わしさを感じている人には好評価です。
ただ、ほとんどの人が声を揃えていっているのは、急いでいるときなどに、上手く装着できずに時間がかかる、経血が漏れるなどのトラブルです。
使用時の注意点
手は清潔に
デリケートな部分に直接手を触れることになるため、使用前、使用後は手をしっかり洗いましょう。
不衛生な手指で装着すれば、病気にかかるリスクも上がります。
爪は短く
爪が長いと、陰部や膣壁を傷つけてしまう、痛みを伴うことがあります。
そもそも、陰部を不衛生な手指で触るのは、絶対NGです。
爪が長いと雑菌が溜まりやすいですし、これまた、病気の原因になりかねません。
必ず爪は短く切っておきましょう。ネイルアートなどは言語道断です。
というか、血で汚れるので、おすすめしません。
体の成熟度や慣れによって使用感が異なる
シリコン製でカップという形状の都合上、サイズはタンポンより大きめです。
とはいえ、大きくても5センチ程度です。
体が未成熟な場合、挿入時・使用時に痛みを伴うことが考えられるため、無理な使用は控えた方がよいでしょう。
何歳以上という使用規定は、特にないようですが、成人して、独自の判断で使用するのをおすすめします。
慣れるまでは小さい物を、慣れたり経血量が多くて小さい物では持たない場合は、大き目なものを選びましょう。
月経カップ使用時のコツ
外出先では、月経カップを水道で洗うのは至難の業です。
個室内に水道がついているところは限られています。
そもそも挿入時、取り出す時に手が経血で汚れてしまうため、手洗い場で手を洗うのも、すでに大変です。
外で使用する場合は、ウェットティッシュなどを常備しておくと、カップを拭くこともできるし、挿入時の手の除菌、手指が汚れたときに拭くこともできるので安心です。
また、月経カップは、経血量が多くなれば、その分漏れるリスクも高まりますし、急いでいて装着に失敗してしまうと、下着や衣類を汚してしまうことになります。
そのため、布ナプキンなどと併用すると、リスクが軽減できて、安心感も増します。
紙ナプキンには、簡単に使えて衛生的というメリットと、経済的負担、ゴミが増えるというデメリットがあるように月、経カップも、メリットとデメリットがあります。
それらのメリットを活かし、デメリットを補いあいながら、快適にかしこく使っていきましょう。
月経カップについて調べた感想
いかがでしたでしょうか?
月経カップを使ってみたいと思いましたか?
月経カップを使ってみようと思った皆さんは、使い方を守って、注意して使用するようにしてください。
わたし個人としては、月経カップに対して興味はあるけれど、自分で使用したいとは思わないというのが本音です。
性器や経血に直接触れざるを得ないというのは、心身ともに負担がかかりますし、衛生的とは考えにくいからです。
海外製のものしかないというのも、心配に感じるところで、人間の内臓的な構造そのものは同じでも、子宮や膣のサイズの基準が、外国の方とは同じとは思えないからです。
日本人に合ったサイズの月経カップが出たら、試してみてもいいかなと思うくらいです。
しばらくは、様子見したいと思います。
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