生理が近づくと子宮が下がるって本当?~下がる理由や影響~
2018/06/18
こんにちは、田中みかです!
突然ですが、あなたは、「生理前・生理中に子宮が下がる」と感じたことはありませんか?
実は、生理前から生理中にかけては、子宮の位置も変化するそうで、いつもより下がるのだそうです。
言われてみれば、生理前になると、普段より下腹部あたりが張ってきて、「太った?」と勘違いすることが多いように思いませんか。
わたしは、中学生のころ、生理前に下腹部が目立ってくるのが嫌で、お腹辺りを無理やり抑えて引っ込ませようとしていたこともありました。
健康上何もなかったのが幸い、今思うと恐ろしいことをしていたなあと思います。
そこで今回は、なぜ生理前・生理中に子宮が下がるのか、その理由について。
加えて、子宮が下がることによる体調などへの影響に関してまとめたいと思います。
子宮の位置・構造について
まずは、子宮がどこにあるのか、体内の構造について確認しておきましょう。
子宮は、骨盤の中におさまるように存在している臓器です。
生理周期に合わせて骨盤の位置が変化するのは、子宮の位置が変わるのに関係があるのかもしれませんね。
骨盤の位置変化については、こちらにも書いています。
子宮の位置について
子宮はへそから足の付け根の間にあり、大体下腹部の真ん中にあります。
骨盤のちょうど真ん中でもあるそうです。
子宮の周りには膀胱や腸などがあり、膀胱の方に前屈しているのが正常です。
子宮後屈について
子宮が後ろ側に傾いている、もしくは曲がっている状態を「子宮後屈(しきゅうこうくつ)」と言います。
症状としては、腰痛や生理痛がひどかったり、排便痛や性交痛などを伴うことがあるそうです。
先天的な場合や、子宮内膜症などが原因の場合があります。
子宮内膜症が原因の場合は、手術などの治療の必要があることもあるようです。
子宮内膜症についてはこちらにも書いています。
子宮が下がった状態とは、子宮口が膣の入り口に近づいた状態と言えます。
正常の範囲を越えて子宮が下がった状態を「子宮下垂」と言いますが、生理前に子宮が下がる状態とは別物です。
子宮下垂について
「子宮下垂(しきゅうかすい)」は、骨盤周辺の筋肉が衰えることによって起こる老化減少の一つ。
子宮が膣内に収まっている状態です。
子宮下垂が進むと、膣から子宮が出てきてしまう子宮脱状態となります。
子宮の一部が出てしまった状態を「部分子宮脱」。
完全に子宮が出てしまった状態を「完全子宮脱」と言います。
子宮脱については、後半でもう少し詳しくご紹介します。
子宮の構造について
女性の生殖器は、「子宮体部」と「子宮頸部」に分けられます。
子宮は膣の奥側、正面から見て上の方にあり、「子宮体部」と言います。
子宮の下側を「子宮頸部」と言います。
その中で膣と子宮の境目、子宮の入口が子宮口です。
子宮口に触られる?
膣の長さは個人差もあるようですが、平均7センチ~9センチ前後。
通常時の場合は膣に指を入れたとき、子宮口にギリギリ届くかどうかくらいで、ほとんどの方は届かないことが多いと思います。
手の大きさ、指の長さによっても違いはあるため、届くという人もいます。
しかし、子宮が下がってくると、膣に指を入れて子宮口に触れられるようになるそうです。
生理前・生理中に子宮が下がる理由
では、なぜ、生理前や生理中に子宮が下がるのか、疑問に思いますよね?
しかしながら、その明確な理由はわかっていないのだそうです。
考えられる理由としては、
- 妊娠しやすくするため、精子を子宮内に届きやすくする
- 生理の経血を体外に排出しやすくする
などがあります。
生理前・生理中に子宮が下がることによる影響
子宮の位置が下がっているということを、自覚的に感じている人は少ないと思います。
子宮が下がることによって、何か体調に影響を及ぼすということではないようです。
生理前には子宮内膜が厚くなり、子宮が広がります。
下腹部の中でいつもより子宮が取るスペースが大きくなってしまうので、その分引っ張られるような痛みを感じる人もいるようです。
生理周期による、子宮口の状態の変化
子宮はとても柔軟性の高い組織で、生理周期に合わせて状態が変化するそうです。
どのように変化するのか、詳しく見てみましょう。
生理前の子宮口の状態
子宮口は普段、閉じています。
しかし、生理前になると子宮全体が柔らかさを増し、子宮口も開いてきます。
生理中の子宮口の状態
生理中になると、子宮口の位置はさらに膣口側に近づき、子宮口もさらに開いた状態になるそうです。
もし、生理の時に子宮口が固く閉じていたら、経血が外に流れず大変なことになりそうですが、そうならないように人間の体はうまくできているんですね。
生理後の子宮口の状態
生理後は、生理前や生理中と違い、子宮の位置が上がるそうです。
子宮の位置が上がると膣に指を入れたとき、子宮口に触れられなくなる場合が多いと言われています。
もともと子宮の位置が低い人などは、生理後でも指で触れられる位置に子宮口があるときもあるそうです。
子宮の状態は、生理前・生理中と比べると硬さを増していくようですが、基本的には柔らかいため、カチカチになるようなことはないようです。
一方、生理後の子宮口は閉じた状態になります。
妊娠したら、子宮はどうなる?
子宮の位置
妊娠していないときの生理前は子宮の位置が下がっている状態ですが、妊娠すると子宮の位置は上に上がるそうです。
生理前や生理中に子宮の位置が下がる理由としてあげられたのは、
- 精子が子宮に届きやすくするため
- 生理の経血を排出しやすくするため
ということでしたが、妊娠している場合は、そのいずれも必要がなくなります。
むしろ、子宮に何か入ってきたり、子宮から何かが出て行くということを防ぐ必要がある状態なので、子宮の位置が上に上がるのも自然のことのように思います。
赤ちゃんは生まれてくるとき、50センチ前後の身長で生まれてくるため、それだけの人間がお腹におさまるように子宮の位置が変わるのは当然のことです。
妊娠10ヶ月ほどになると、胃やみぞおちあたりまで子宮が大きくなってきます。
そのことで便秘気味になったり、胃もたれが起きたりなど、体調に影響を受けてしまう場合もあります。
子宮の状態
妊婦さんのお腹を思い浮かべたとき、個人差はありますが、まん丸に張っているイメージが浮かびます(中にはまったくわからない方もいますが)。
赤ちゃんは子宮の中にいるはずなので、それだけ子宮の大きさが変わっているということが簡単に想像できます。
子宮の大きさは妊娠していないときで鶏卵1個分ほどだそうです。
しかし、妊娠すると最終的に30センチ程度まで広がります。
つまり、なんと子宮が約5倍の大きさになるということ!
すごいですよね……。
子宮脱生理
「子宮脱(しきゅうだつ)」とは、子宮が体の外に出てしまう病気のことです。
症状が重い場合には、子宮が完全に体外に出てしまい、目で見てもわかる状態になるそう。
自分の臓器が体の中から出てしまうだなんて、想像しただけでも怖いですよね。
子宮脱の原因
子宮脱の原因となるのは、
- 妊娠や加齢によって、子宮の位置を保っていた靭帯が伸びてしまった
- 老化によって筋肉そのものが衰えてしまった
などが考えられます。
子宮脱の治療
子宮脱になってしまった場合、ペッサリーという器具を使用する場合が多いようです。
子宮を持ち上げるためにプラスチック製の器具を装着して使用します。
子宮脱の治療に使われるのは、主にリング型のペッサリーのようです。
ペッサリーを装着したら……
ペッサリーを装着したら定期的に検診を行います。
- そのタイミング以外は装着したままにする場合
- 就寝時に都度取り外し、朝装着し直す場合
等、使用方法は色々ですので、医師の指示に従いましょう。
膣や子宮といったデリケートな部分に直接使用するため、誤った使用法は高いリスクを伴います。
いずれも病院での説明をよく聞き、正しく使用してください。
子宮脱になりやすい人
子宮脱になりやすいのは、
- 妊娠、出産を経験したことがある人
- または、60歳以上の方
だそうです。
出産をすると上で述べた通り、子宮の大きさや重さがかなり大幅に変化します。
その分、子宮を支えていた靭帯に負荷がかかったため、まるで伸びきったゴムのように支える力が弱まってしまうのも頷けます。
子宮脱は、何か病気がある、原因があるということではなく、極めて安産で何の問題もなかった人もなってしまう病気だそうです。
出産後のケアが大切になるようですよ。
子宮脱にならないために
いくら老化が原因で、誰にでも起こり得る病気だとしても、出来るだけ子宮脱にはならないようにしたいですよね。
では、子宮脱を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
骨盤底筋群を鍛える
子宮脱を防ぐには、子宮を支える「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」を鍛える必要があります。
そもそも骨盤底筋群とは一体どこ? と思いますよね。
ずばり、おしっこを止める時に使う筋肉です。
これは骨盤底筋をしめる感覚を掴むには一番わかりやすい方法ですが、膀胱炎になるリスクも高まるので、やりすぎは厳禁です。
日常的なトレーニングをする場合は、
椅子に座った状態や立った状態で姿勢を正し、肛門と膣をしめ、5秒間キープ×10回!
を試してみてください。
便秘を防ぐ
また子宮脱を防ぐには便秘の解消も欠かせません。
便秘になるとお腹に力を込めていきむのが習慣化してしまい、子宮や他の臓器が一緒に出てしまうリスクが高まるそうです。
普段から食物繊維や乳製品を取るように心掛け、便秘の予防に努めましょう。
まとめ
以上、今回は生理が近づくと子宮の位置が下がる症状について、ご紹介してきました。
生理は毎月のこと。
毎月の自分の身体の変化について知っておくと安心ですよね。
以下、今回の記事のまとめですので、ぜひおさらいしてみてください!
- 生理前・生理中は子宮が膣の入り口に近づく。
- 生理後、妊娠中は子宮が上がる。
- 正常値を越えて子宮が下がる病気を子宮下垂、子宮が膣から出てしまう病気を子宮脱と言う。
- 子宮脱にならないためには、骨盤底筋を鍛えることが大切。